Soの服に、どこまでトレンドを入れるのか。

Soの服に、どこまでトレンドを入れるのか。

僕たちSoは、ベーシックを大切にしているブランドです。

ただ、いわゆる「昔から変わらない定番服」を、そのまま作りたいわけではありません。ベーシックを軸にしながら、今の時代の空気をどこまで取り入れるのか。今回は、Soが服を作るうえで大切にしている“トレンドとの距離感”についてお話ししたいと思います。

世の中の服を大きく分けてみると、それぞれにトレンドとの向き合い方の軸があります。たとえば、ユニクロさんや無印良品さんのように、全国、そして世界規模で展開しているブランドは、幅広い人が着やすいベーシックな服を得意としています。

一方で、大手セレクトショップのオリジナル商品は、ベーシックを土台にしながら、そこへ程よくトレンドを取り入れています。最先端すぎて理解しづらいところまでは踏み込まず、日常で着やすいところまで編集されている。この“適度なトレンド感”こそ、セレクトショップの魅力だと思っています。

さらにその先には、デザイナー独自の世界観を色濃く反映したドメスティックブランドがあります。シルエットや素材使い、細かなディテールにも個性があり、僕自身も一人の服好きとして、このあたりのブランドをよく着ています。

そして、コレクションを発表するようなハイブランドは、さらに先の流行を作っていく存在です。ただし価格も高く、デザインにも強い主張があるため、そのまま普段の生活に取り入れるのは簡単ではありません。

もちろん、すべてのブランドがきれいに分類できるわけではありませんが、大きな傾向としては、このような違いがあるように感じています。

セレクトショップとドメスティックブランドの間

では、Soはどこに位置するのか。僕たちが意識しているのは、セレクトショップのオリジナルと、ドメスティックブランドの中間くらいです。

セレクトショップのオリジナルよりも、もう少しだけシルエットや素材に特徴を持たせたい。でも、ドメスティックブランドほどデザインのエッジは強くしすぎない。

服が好きな人にも物足りなさを感じさせず、同時に、普段あまりトレンドを追いかけない人にも無理なく着てもらえる。そのバランスを大切にしています。

たとえば、パンツのシルエットにトレンドを反映させたり、着丈や身幅に今らしいバランスを取り入れたり。遠くから見て強く主張するのではなく、着たときに「なんとなく今っぽく見える」。それくらいのさじ加減が、Soらしいと考えています。

目指しているのは、流行の真ん中にある服ではありません。かといって、時代から切り離された服でもない。

ベーシックを軸にしながら、その時代の空気を静かに含んでいる。そんな服を作りたいと思っています。

服は、ほぼ国内で作っています

Soの服は、一部の商品を除き、ほぼ国内で生産しています。これは海外製の服よりも、国内製のほうが優れているという意味ではありません。今は海外にも高い技術を持った工場があり、品質の高い服がたくさん作られています。

また、国内で作れば、それだけで最高品質になるわけでもありません。工場によって得意な素材や縫製は異なりますし、Soもすべての服を“最高級の特殊仕様”にしているわけではありません。

僕たちが大切にしているのは、日常着として必要な品質と、無理のない価格とのバランスです。そのうえで、作り手との距離や、生産背景の見えやすさも含めて、国内で服を作ることには価値があると考えています。

アイテムごとに適した生地や工場を選び、僕たち自身が納得できる品質に整える。このものづくりの背景は、ドメスティックブランドに近い部分だと思います。

価格を上げすぎないために

価格についても、セレクトショップのオリジナルとドメスティックブランドの間、あるいは少しセレクトショップ寄りの水準を意識しています。

Soは、ほかのお店へ商品を卸していません。また、実店舗を持たず、オンラインを中心に直接お客様へ販売しています。

シーズンごとに大量の商品を発表するのではなく、少数精鋭で、長く扱える服を中心に作っているのも特徴です。大規模な広告やコレクションにも、たくさんの費用をかけていません。

その分、生地や縫製にはきちんと費用を使いながら、ドメスティックブランドと同じような背景で作った服を、できるだけ現実的な価格で届けることができます。

安さだけを追いかけるのではなく、品質に対して高すぎないこと。ここも、Soが大切にしているバランスのひとつです。

“ちょうどいい”には、意思がある

Soが目指しているのは、奇抜な服ではありません。

ベーシックを軸にしながら、今の時代に合うシルエットや素材感を取り入れる。セレクトショップのオリジナルよりも少しだけ踏み込み、ドメスティックブランドほど強く主張しない。そして国内でものづくりを行いながら、価格はできるだけ現実的に抑える。

こうして整理してみると、Soは「今までありそうで、意外となかった場所」を目指しているブランドなのかもしれません。

“ちょうどいい”という言葉は、ときに無難という意味にも聞こえます。

でも僕たちにとっての“ちょうどいい”は、何も考えずに真ん中を選ぶことではありません。どこまで時代の空気を入れ、どこから先を削るのか。その境界を何度も考えながら、意図的にバランスを整えています。

着た瞬間に大きな驚きがある服ではなくても、袖を通したときに少し気分が上がり、手持ちの服とも自然になじむ。そして数年後に見ても、古く感じにくい。

そんなSoなりのトレンド感を、実際に服を着ながら感じていただけたら嬉しく思います。

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